一人暮らし世代4割へ 社会との関わりが薄く

いま、社会との関わりが薄く地域とも断裂、そして誰にも看取られず気づかれもせずに亡くなる孤独死が非常に増えて社会問題となっています。2040年には一人暮らし世帯が4割に達する推計になっており、それに伴い遺品整理やハウスクリーニング業などのサービスがより必要となります

孤独となった老人の一人暮らし 劣悪な環境で助けもなく・・・

以前あった僕が経験した依頼の話です。「部屋がめちゃくちゃで・・・ゴミを片付けてほしい」という問い合わせがあった。依頼主はケアマネージャーさんで、家主の代わりに依頼をお願いしてくれていました。家主はマンションに住む軽度の認知症のおばあちゃんで一人暮らしでした。家の中は大量のゴミで埋め尽くされ、膝~腰くらいの高さまでゴミで埋まっており、電気も止まっていました。家の中は大量のゴキブリがあたり一面におり、悲惨な状態でした。

(北海道ではゴキブリはとても珍しく、日常生活で見かけることはまずありません。そんなゴキブリが札幌のとあるマンションの一室にこんなに・・・)

ゴミだらけだけならまだしも、こんなに大量のゴキブリ・・・。とてもこの部屋で暮らしていたとは思えません・・・。洗濯機の中もゴキブリの死骸でごんもりと・・・

あまりの状態に思わず「うわぁ・・・」と言ってしまいました。家主はボロボロの家具、ゴキブリだらけのタンスや家電、全て「いる物」だと言うのです。

ケアマネージャーさんと相談しあい、辛抱強く本人を説得し全て廃棄処分することとなりました。

どうしてここまでの惨状になってしまったか?

誰かが気づいてやれなかったか?

そして何より、自らSOSをできなかったか??

このおばあちゃん、相談できる家族や知人もいなく、ご近所さんや社会との関わりがありませんでした。孤独で誰にも頼ることができなかったのです

誰にでもおこる 生涯未婚

人は孤独となると生活が荒れがちになります。

  • 風呂に入るのが面倒に感じ、あまり入らなくなる
  • 人と関わりがなくなり、衣服や部屋の清潔感に無頓着となる
  • 着替えもせず、食事も適当に
  • 栄養が偏る
  • 会話がなくなる
  • 生活がワンパターンになり、刺激がなくなる

そんな生活をしても、注意する人もいない、誰にも迷惑もかけない、そんな生活が少しずつ私生活を壊していきます。

生涯未婚率が年々増加傾向にある今の日本。1990年代が男女とも5%ほどだったのに対し2015年の時点で男性が23%。女性が14%です。今後も増加傾向となり、老後のことを考えると目の前が真っ暗になる世帯は多いはず。一人暮らし世代の増加で今後とも孤独死は増えていきます。家をゴミ屋敷にしてしまっている人のほとんどが一人暮らしです。

部屋がゴミ屋敷になって一人ではどうしようもできない状態になってしまっても、周りの世話にはなりたくない、とこもりがちになる人がほとんどで、自らSOSを発信するケースは少ないです。

ここで大切となるのは周りの人たちが“気づいてあげること”です。

今後とも弊社ではそういった人たちの助けになれればと思っています。

→なぜ歳をとると片付けられなくなるのか