煙突の中にスズメが落下してしまう事例はよくあることです。

煙突からでてくるストーブの排気熱で暖を取ったりしているうちに落ちてしまったり、カラスに襲われたり、雪に足をとたれて滑ってしまったり、理由は色々あります。

そんな中で依頼主に気がついてもらえた運の良いスズメを便利屋七道では幾度も救出してきました。

煙突に落ちるのはスズメばかり・・・そう思っていたのですが、今回はスズメではありませんでした。

落下したのはスズメより一回り大きな鳥のヒヨドリ？

ここから救出するのは困難

現場では既に煙突式ストーブは取り外され、穴からお客様が救出のために試行錯誤しておりました。

お客様の言う「スズメではないような気がする」ということから鏡を使って円筒内部を確認してみたところ、ヒヨドリらしき姿を確認することができました

※暗い煙突内を上から覗いているため最初は確信がありませんでしたが、のちのちヒヨドリだとわかりました

ヒヨドリとは？→（日本の鳥百科：ヒヨドリ）

ヒヨドリの大きさは２５センチを超えるので、スズメの倍近くあります。煙突の中のサイズを考えると、飛ぶために羽を全開まで広げることは無理です。飛んで脱出するのはほぼ不可能です。

ヒヨドリがいるのは煙突の差し込み部分から下へ160センチメートル付近。もちろん手では届かないですし、普通の道具では届きません。

こんな時は普段ならば煙突の最下部にある鉄扉（焚口）から救出するのですが、大きな問題がありました。

なんと外に設置してあった鉄扉が外壁のリフォームの過程で埋められてしまい、どこにあったかもわからなくなってしまったのです。

このように外壁をサイディングで増してあげる方法のリフォームは時たま見られ、煙突掃除をしている便利屋七道にとっては非常に困りものです。

サイディングをサンダー（グラインダー）で開口し、鉄扉を見つけることができたら助け出せるのですが、開けずに済むのであればそれにこしたことはありません。

ということで最初は僕も色々と考えて上からの救出を試みたのですが、どうしてもうまくいかず、いい方法も浮かばず早々に諦めました。

思い切ってサイディングをカット！鉄扉を探す

壁に穴を開けてまで救出！誰でも了承できることではありません

室内の煙突側からの救出を諦め、お客様と相談しサイディングを開口し鉄扉を見つける方法にすることにしました。

当てずっぽうに開けるのではなく、リフォーム前の姿を知っているお客様の記憶を頼りに「ここかな？」「こっちかな？」とよく相談しながら模索しました。

いきなりカットしてしまって場所が違ったら修理が面倒になってしまうので、目地に沿ってドリルで穴を開けライトを照らして覗き、鉄の感触を調べて回ること10分。

ここだと思う場所にグラインダーで四角くカットし、無事1発のカットで扉を発見。（同じく目地に沿ってカットし、のちのち修理しやすいように配慮しました）

チラチラ顔を出すヒヨドリを捕獲する

あとは慎重に助けるだけ

煙突内部の底にはゴミが溜まっているため扉を開けてもすぐには飛び出してきたりはしません。スクレパーである程度のゴミを掻き出すと光につられてヒヨドリが顔を出しました。

このまま扉を開けっ放しにすれば外へ飛んでいくかもしれませんが、長く煙突内にいたこともあり怪我をしている可能性が高いので一度捕獲することにしました。

扉を開けて犬猫用のキャリーケースを押し付けること５分。無事キャリーの中に歩いてきてくれたので慎重にチャックを閉め確保しました。

無事救出することができお客様もとても喜んでもらえました。

一時保護と今後の対応

久しぶりの明るい場所

どのくらい前から煙突にいたのかわからないので、とりあえずお皿で水を上げてみると勢いよく飲んでいました。やはり喉は渇いていたようですね。※あとで調べたらあげる必要はなかった模様

よく観察すると羽と足が少し怪我をしているようなので、このまま外に放してはどうなるかわかりません。

とはいえ野鳥であるヒヨドリはペットのように飼うことは原則禁止です。

動物園の人にアドバイスをもらい、今後は指定の病院にて治療し今後の対応についても適切な対処がされるそうです。（※どこの病院でもいいわけではないようなので注意）

法律に関して詳しくはこちらを御覧ください→（日本野鳥の会：野鳥の保護に関係する主な法律や条約）

怪我した鳥を見つけたときの対処はこちらを御覧ください→（バードファン：ケガした鳥をみつけた）

まとめ～運良く助けられた

今回はお客様が運良く煙突の中に何かいる・・・と気がついたから救助することができました。多くの人は集合煙突に落ちた鳥の物音に気がつくことは殆どないと思います。（因みに今回は飼い猫が煙突からの異音に気がついたため発見は早まりました。とてもお利口な子ですね）気がついてももらえず人知れず死んでしまう鳥は少なくありません。

今回の救出にもっとも苦労を要したのが外壁のリフォームで鉄扉が埋められてしまっていたこと。使用していない煙突ならばともかく、煙突式ストーブを使用しているのにも関わらずサイディングで塞いでしまうなんで非常に困りものです。もし煙突側に何かトラブルが起きた場合メンテナンスのしようがありません。

お客様のご厚意でサイディングの穴あけカットの許しが出ましたが、普通は外壁に穴を開けるのは誰だって嫌なものです。

今回の作業と壁の修理にお客様は何万円も費用を負担することになりましたが、誰もがここまで尽くしてくれるわけじゃありません。もし鳥の存在に気がついても、高額な費用のことを考えてしまい救出を諦めてしまう人だっていると思います。つまり、

今回ヒヨドリが助けられたのはとても特別なことだったのだと思います。

生き物の命を優先させ負担や手間を惜しまなかったお客様には本当に感謝であり、そういう考え方は大変素晴らしいことだと思います。

こういった仕事は便利屋ならではであり、鳥に限らずネコや野生動物でこういった事例はたくさんあると思います。

こんな時はどこに頼めばいい？誰か助けてほしい！そんな時は便利屋七道がお力になります！お困りの方は是非ご相談下さい！

スズメ関連のブログはこちらを御覧ください→（便利屋七道：スズメ関連ブログ）

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