煙突掃除するときの燃焼器具は主に「煙突式の灯油ストーブ」「薪ストーブ」「ペレットストーブ」等が多かったのですが、給湯ボイラーや暖房ボイラーも例外ではありません。
ボイラーは燃焼に異常が出たり、不完全燃焼を起こしたりなどのトラブルが起きた場合に限り内部が煤で真っ黒になることがあります。
ボイラー内部が煤だらけになると、当然その後は修理を行わないとボイラーは稼働しません。
そんなトラブルの時に頼りになるのがボイラー屋さん(設備屋さん、またはストーブ屋さん)です。ボイラー内部の缶体という部分を中心に煤だらけになった部分を掃除・整備の修理をしてくれることと思います。
しかし、ボイラーの修理が終わったにもかかわらずボイラーが稼働しない場合があります。それは「煙突内部の煤が除去できていない」からです。
ボイラーが綺麗になっても煙突が煤で詰まっていたままではいけません。煙突掃除が必要になります。
※煙突掃除をせずにボイラーを起動させると、燃焼不良を起こし再びボイラー側が煤だらけになる可能性があります
問題となるのは、ボイラーの修理屋さんは「煙突掃除まではやっていない」場合が多いことです。
「ボイラーは直しましたが、煙突の方がまだ煤だらけなので動きません。最寄りの煙突掃除屋さんに掃除してもらって下さい」
となるわけです。
せっかくボイラーを直してもらったのに煙突掃除が終わっていないから燃焼させられない。そんな時は便利屋七道へご連絡下さい。
・大型ボイラーに悪戦苦闘 煙突が外せない・・・
・燃焼タンク側から集塵ホースを突っ込む
・掃除機の煤詰まりを回避 『アッシュクリーナー』
・空気の流れで診断
・そもそも何故不完全燃焼が起きた??
大型ボイラーに悪戦苦闘 煙突が外せない・・・
今回煤掃除を行なうボイラーは重油を使う大型ボイラー。既にボイラー側はボイラー屋さんにて煤掃除が完了しており、作業員さんから「煙突が詰まっている。煙突掃除が終わっていないからまだ動かせない」とのことから、いろんな業者を手配したのだが、他の業者は「これはうちでは煤掃除できない」と断られ、困っていたとのこと。
見積もり時、「あ、なるほどこれは難しい」と悩みましたが、「やるだけやってみます。直らなかったらお代はいただきません」と前置きをし、チャレンジするように挑みました。
ボイラーのシステムも煙突も一回り大きくなっているだけなのでやることは変わらないのですが、煙突が外すことが困難であったためどう攻略するか悩みました。
煙突途中にあるフランジ部分を外せば最も煤が溜まっている可能性がある煙突内部を目視で確認することができるのですが、フランジ部分がボイラーで追っつけてあるため上手く外せるか、外せたとしても上手く戻せるかが不確定であったため、ここからの煤掃除はリスクが高すぎるため断念。
色々と下手に弄って壊してしまうのを避けました。
煙突が外せないことで具体的にどのへんが煤詰まりを起こしているかがわからないため、感覚と手探りで進めていくことに。
燃焼タンク側から集塵ホースを突っ込む
ボイラーからも煙突からも作業ができないので、残りは燃焼タンク側から。手が入らないほどの小さな点検口から煤取り用集塵機のホースを突っ込み、ボイラー側と外側両方を手探りで煤取りしました。
ホースを上手くコントロールして、ボイラー側の排気出口まで到達(ホースの長さと感覚でわかります)
ホースは連結させて長さ10メートル以上ありますので、基本的には端まで全部届きます。
掃除機の煤詰まりを回避 『アッシュクリーナー』
.煤詰まりの場合は毎回大量の煤が除去できます。今回も例外ではなくかなりの量の煤が出てくるのが予想できたので、掃除機(集塵機)とホースの中間に「アッシュクリーナー」という灰バケツを経由させています。
この灰バケツを経由することで煤の大部分をこのバケツ側に集めることができます。使用することで薪ストーブユーザーは家庭用の掃除機を故障させることなく灰を吸い込むことができます。
これを使わずとも作業は可能なのですが、それだと掃除機の紙パックがあっという間に煤だらけになり作業効率が落ちるので今回使用しました。
実際作業してみると予想通りかなりの量の煤があり、灰バケツを何度も入れ替えるほどでした。
空気の流れで診断
煤詰まりをしている場合は外へ流れていく空気の流れが滞納しています。しかし、詰まりが解消されれば空気は吸い込まれていき外へ排出される流れが生まれます。
掃除機で煤を除去していく中で度々空気の流れを良く確認していくと、あるタイミングで空気が綺麗に流れていくようになりました。目に見えずともこの時点で原因箇所の詰まりは解決されたことが診断できます。
2時間程度で作業完了。煤詰まりを解決されたことを確認するためにボイラーを起動。前までは始動後にすぐエラーで機能停止していたのだが、無事燃焼しつづけることができました。
そもそも何故不完全燃焼が起きた??
今回行なったのはあくまで煙突掃除だけです。そもそも煙突つまりが起きてしまった原因は究明できていません。
何年も使用していたボイラーから少しずつ溜まっていった煤が今になって詰まったのか、それともボイラー側に何か異常が起きて燃焼不良が起きたのか、原因は究明できていません。
ボイラー側は修理したと言っても、煤取りを下だけで部品交換や整備などは行なっていません、煙突が詰まっていることから試運転も行なっていません。
つまり、今煙突掃除をしてボイラーが動いていたとしても、ボイラー側に異常がありそれを解決していないのであればのちのち再び不完全燃焼と煤詰まりを起こしてしまいます。
今後は再びボイラー屋さんを呼び、ボイラーに異常が無いかを再度確認することがありますので、依頼者様にはアドバイス致しました。
今後は要経過観察が必要ですね。
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