先日、深夜0時頃に
「灯油を切らしてしまったから灯油タンクにポリタンク3つ分給油したのだがストーブが動かない。エア(空気)が入ったのかもしれないからエア抜きをお願いしたい」
「24時間やっている便利屋さんだということだったので、夜間ですがお願いしたい」
というご相談をにいただきました。この寒い時期にストーブが動かないというのは非常にお困りでしょうから、夜間でしたが緊急出動致しました。
ただのエア抜きならばすぐ終わると思っていたのですが、想像よりも大変な作業となりました。
・灯油タンクの中身もサビだらけ・・・
・タンク内の洗浄をしたことはありますか?
・詰まりは直したのに灯油がまだ来ない理由は・・・
・これで終わりではありません。タンクのサビが残っています
・まとめ~原因と対応
エア抜きをしてみるが灯油が出てこない・・・
エア抜きの方法は簡単です。ストーブに刺さっているゴムホースを抜いて灯油が来たら元通り差し込むだけです。(大雑把に言えばですが)
灯油が出てきた時点でエアは全て抜かれたということになるわけですが、今回の現場では灯油ゴムホースを引き抜いて灯油が来るのを待ったのですが、いつまで待っても灯油が来ませんでした。
「おや?これはどういうことかな?」と疑問に思い、ひょっとしてポリタンク3つ分(約54リットル)では足りなかったのかな?と外にある灯油タンク本体を確認してみることにしました。
灯油タンクのストレーナーに異常が発覚
一般的に野外に設置されている灯油タンク(ホームタンクとも呼ぶ)は400リットルタイプの物が多く、定期的に灯油やさんが灯油を積んだトラックから長いホースを差し込んで給油してくれます。
この灯油タンクの下には灯油タンク内のサビや汚れが室内側へ流れていかないようにストレーナーと呼ばれるろ過器が設置されています。
このろ過器のストレーナーを通過して綺麗な状態の灯油が各部屋の暖房機器へ繋がっている構造になっています。
そのストレーナーの様子が普通ではありませんでした。
灯油タンクの下のストレーナー内部がサビで茶色く変色していました。
通常は綺麗な透明な色の灯油が通過する場所なので、これは普通ではありません。
空気と灯油が2層にわかれている状態も普通ではありません。
これはサビでろ過器が限界点を超えて灯油が通過できなくなり、詰まってしまっている状態でした。
灯油タンクの中身もサビだらけ・・・
灯油タンクの中身を確認するために上部から蓋を外し、ライトを照らして中を覗いてみると、そこにある灯油の先に粉状をなったサビの塊が大量にあることがわかりました。
画像左上には灯油が吸い込まれていく出口があります。この出口部分は山のように少し盛り上がっているので、ある程度はサビが溜まっても中には吸い込まれてはいかない構造になっています。
少しずつサビが底(そこ)に溜まっていき、灯油が切らしたタイミングで給油したことで底に眠っていたサビ砂が舞い上がり、出口付近にも入り込んで詰まらせてしまったのだと思われます。
タンク内の洗浄をしたことはありますか?
灯油の業者から「タンクを洗浄しませんか??3年おきに必要です!値段は○○です!!」と営業されたことはありませんか??
タンクの洗浄の必要性がわからないので急にそんなこと言われても「洗浄??(値段高いなぁ。本当に必要?儲けたいだけなんじゃないの??)結構です!」と断る人ばかりだと思います。
中身がどのくらいサビがあるのかわからないですし、必要性もわかりません。
時には「そろそろタンクを交換しませんか??値段は〇〇万円です!」と高額な話を持ち込まれ「交換??見た目は綺麗じゃん!なんで交換の必要が??」と余計に嫌悪してしまうはずです。
3年に1度という頻繁な洗浄が必要なのかは定かではありませんが、サビ問題で何かしらのアクションが必要な時期が来るのは確かなようです。
実は今回の現場もいつも給油してくれている灯油屋さんから「洗浄、またはタンクの交換が必要です。しませんか?」という話を進められたそうです。
しかし、その必要性を理解させる説明が不足していたため家主も「必要なの??」と疑問に思い深く考えず、後回しにしていたそうです。
今回はタンク内のサビが原因ですので、本当に洗浄が必要な状態だったようですね
詳しくはこちらを御覧ください→(北ガス:灯油タンク洗浄の必要性!怠るとどうなる?洗浄方法も詳しく)
ストレーナーを洗浄し一時復旧させる
僕は灯油屋さんでもストーブ屋さんでもないのでストレーナーの在庫は常には持っていません。
今は深夜なのでホームセンターでストレーナーを購入することも出来ませんし、このままでは復旧できずストーブを稼働させることが出来ないので家主様は寒い思いをしてしまいます。
タンク内サビは今出口にはあまり詰まっていないので、ストレーナーさえなんとかすれば復旧が可能そうでした。
本来は交換するのが望ましいですが、ここはストレーナーを外してパーツを分解し、掃除をすることにしました。
カップを外して灯油を全て捨て、中のギザギザのろ過部分を「灯油」で洗浄、よく洗い流し、綺麗にしました。(※決して水で洗浄してはいけませんよ)
綺麗にし終わった後に元通りに設置してストレーナー詰まりは解決しました。
しかし・・・
詰まりは直したのに灯油がまだ来ない理由は・・・
ストレーナーを綺麗にして室内側のゴムホースから再びエア抜き作業をやってみたところ、なぜかまだ灯油が流れてきません。
「あれ?なんでこないの?やっぱり灯油が少なすぎて高低差的に来ないのかな?」とも思ったのですが、もしやと思い灯油ポンプ(通称シュポシュポ)をゴムホースと連結させ何度も灯油を引っ張ってみたところ、灯油内からゴミカスやサビカスがゴロゴロと出てきました。
これがホース内で詰まっていたため灯油が来なかったようです。
これらのゴミを吸い続けゴミが出てこなくなるとやっと灯油が通常通りゴムホースから流れてくるようになりました。どうやら開通したようです。
試運転して燃焼確認
灯油がちゃんとくるようになったのを確認したあとは最後に試運転を行います。
灯油切れのエラーがでて全く動かなかったストーブが稼働を始め、約30分ほど試運転を行い燃焼に異常がないかを確認しました。
このストーブだけじゃなく他の部屋の暖房機や給湯器(灯油を燃料にしている機器全て)も燃焼に異常が無いか確認しました。
このトラブルの影響で部屋は寒いしお風呂にも入れなかったそうなので、とりあえず機器が復旧し安心していただけました。
これで終わりではありません。タンクのサビが残っています
灯油は流れるようになったのでとりあえず「暫くは」大丈夫です。原因となる詰まりは解消されましたが、発端であるタンク内のサビは残ったままです。このままではまたいつかまたストレーナーが不純物で限界を超えたら詰まってしまいます。
それがいつなのかはわかりませんが、今回の作業はあくまで一時的な復旧であり、今後は灯油タンク内の洗浄かタンク交換など何かしらの行動を取らなければなりません。
でないとまたストーブが止まってしまうトラブルになってしまうことでしょう。
僕の方ではタンク内洗浄作業はやっていないですし、もともと灯油屋さんに洗浄を進められていたわけですので今後の対応は事情を把握しているその業者様にバトンタッチしてお任せしてもらうことになりました。
まとめ~原因と対応
今回の原因は灯油を切らしたことによるエアの混入かと思いきや、灯油タンク内部のサビの混入が原因でした。
そして以前から灯油の業者様から洗浄・交換などの指摘を受けていたのにも関わらず、費用の捻出を渋り深く考えず大丈夫だろうと後回しにした結果このようなトラブルを巻き起こしてしまいました。
今回の作業で当然修理費用をいただいているので、結局余計に家計を圧迫する結果となったわけです。
夜間では対応してくれる業者は多くないですし、小さなお子さんがいるご家庭では一晩ストーブの無い生活でも耐えきれるものではありません。
安易に考えてしまえば今回のようなトラブルを招いてしまうことになりかねません。
表の灯油タンクが洗浄を進められた時に「なぜ必要なのか?」というのをよくヒアリングし、その後はご家族ともよく話し合い本当に必要なのかをよく検討した上できちんと対応しましょう。
- タンクは使用して何年目?
- ストレーナーは綺麗?
- 業者さんから洗浄を進められた?
上記のことは無視せず気にしてあげましょう
なぜ洗浄が必要?目安は?頻度は?疑問はこちらを御覧ください→(北ガス:灯油タンク洗浄の必要性!怠るとどうなる?洗浄方法も詳しく)
便利屋七道では灯油のエア抜きのご依頼を承っております。また、夜間の緊急状態でもすぐに対応致します
今回は通常のエア抜き作業ではありませんでしたが、可能な限り修理致します
もし灯油を切らした、空気が入ってしまいストーブが動かなくなったなどのお困りごとは便利屋七道へお問い合わせください。
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