一時期の大寒波の過ぎ、少しずつ雪解けの時期が近づくにつれ多く見舞われるのが「すが漏り(すが漏れ)」です。すが漏りとは雪や凍結等の雪害による雨漏りのことで、真冬の時期よりも雪解けし始める2月後半~3月末に多く発生します
これは真冬の場合は水分も凍結しているため雨漏りなどは起きませんでしたが、気温が高くなり水が屋根を滴り落ちるころに初めて事態に気が付くのが理由です
水分はわずかな隙間やひび割れ、板金の継ぎ目に入り込み、その後凍結します。水は凍結すると大きく膨張する性質があります。(凍結した水道管が破裂するのはこのためです)
隙間に入った水分が凍結して膨張して隙間をさらに広げてしまいます。プラス気温やマイナス気温(凍結と解氷)を繰り返しみるみる隙間が広がり、さらに雨漏りが進行します
その深刻具合は春の暖かい時期に如実に現れます
また、以前のブログで説明したように傾斜屋根にて凍結した分厚い氷がダムの役割を果たし、ハゼと呼ばれる屋根のつなぎ目を通り雨水が侵入し、雨漏りの原因となることが多くあります
雨漏りはクロスの剥がれから始まり、壁の変色、水が垂れ、カビの発生・・・といったトラブルを起こし、住めない部屋にしてしまいます。少しの雨漏りとほおっておけばカビによって少しずつ体調を崩してしまいます
さらに放置すれば壁の中の基礎となる木部にも深刻なダメージを与え、とんでもない高額費用が発生して大事になってしまうこともあります。
気温が高くなりはじめるこの時期です。「そのうち雪がとけるからほおっておいて大丈夫だろう」と油断せずに、しっかりと雪下ろし・雪庇落とし・氷割りをし、雨漏り・すが漏り対策を行い春に備えましょう
すが漏り!屋根の雪下ろしで解決!
本日は小樽市にて【屋根の雪下ろし・排水ダクトの氷除去】のご依頼を承りました
本来は融けた雪がスノーダクトを通って排水口へ流れて行くはずだったのですが、ダクトヒーターの電源を切ってしまっていたため排水口が凍結し、溢れた雪解け水が雨漏りを起こしている状態でした
このままダクトヒーターを付けても溜まりにたまった雪と氷で余計に雨漏りを起こす可能性も考えられたので、一番確実な雪下ろしをまず最初に行ってからヒーターを入れる方法を選びました
2階だけの戸建て住宅ですが、1階が被害が出ているため1階屋根の雪を全て除去したいと思います
除雪に比べて屋根雪下ろしは雪捨てが落とすだけなので肉体的には地面の雪かきよりも個人的には楽に感じます。しかし、高所作業なので落下して怪我をしてしまうリスクが付きまとうことを考えると、やはり地面の除雪作業よりも屋根雪下ろしのほうが費用が割高になってしまいます。傾斜のある屋根は命綱も必要なので手間も多くかかります
本日のような天気のいい日は滑りやすく落雪の危険が最も高い日なので油断できません
排水口はどこ?まずは雪下ろしから
ここがすが漏りを起こしてる屋根の上です。深いところだと1メートル近くの積雪があるため全容が全く分かりません。雪のせいで分かりづらいですがここはフラット屋根ではなくで傾斜のある屋根です。
傾斜屋根の先端付近に横に排水ダクトが通っていて、排水口を通って水が流れていくようになっているのですが、ダクトがどのようになっているのかわからないためまずは雪下ろし作業を行います雪は全て向かって奥側の方へ運んで落とします
スノーダクトを覗いた屋根の雪を全て下ろしきるのに約2時間弱かかりました。下ろす雪が傾斜の先ではなく、指定場所に下ろすとどうしても時間がかかってしまいますが、このほうが落とした雪の除雪作業をする必要がないため結果的に費用も時間も省くことができます
ある程度雪下ろしが完了し、スノーダクト内部の雪のみとなったのですが、足で踏んでみるとジワジワとたっぷり雪が染みこんできました。これはダクト内が大量の水が滞納している状態であり、逃げ場をなくした水が雨漏りを起こしていることは明白でした
この時点ではどこに排水口(ルーフドレン)があるのかわかりません。大抵は端っこか真ん中にあるものなのですが・・・
今度はこのスノーダクト内部の水(氷)の除去作業となります
傾斜屋根なのに大量の水が溜まっている
ダクトを傷つけないように加減しながらスコップで突いてみると、分厚い氷の下に大量の水が出てきました。足首まで埋まるくらいの氷水です。
作業中はスノーブーツではなく冬用長靴を使用しているため足が濡れずにすみました
ある程度状況が呑み込めたので、この時点でダクトヒーターの電源をONにしてヒーターが作動するかの試運転も兼ねて同時進行します
一番端っこで排水口(ルーフドレン)を発見しました。最初は水で沈んでいたため氷の塊かと思って突いていたら氷が除去され一気に排水されていきました
おそらくダクトヒーターの電源を入れたこともあって少しの突きで氷が解けて流れていったのでしょう。大量にあった雪解け水もほとんど流れていきました
この住宅のダクトヒーターは排水管内から入口までの部分的なヒーターのようで、排水口から黒いゴムチューブが伸びていました。触ってみるとほのかに暖かみを感じます
排水口の周りに土や落ち葉の塊がありました。おそらく今回の排水つまりの引き金となったのはこのゴミたちだと思われます。ダクト掃除を怠ったために排水口に落ち葉などの不純物が水の流れを塞いでしまい、滞納した水が冬に凍結。ゴミと凍結で完全に排水口が塞がってしまったところへの雪解け水で屋根が水で溢れだし、すが漏り・雨漏りを引き起こしたと考えられます
今回は“スノーダクトの掃除”と“ダクトヒーターの電源の付け忘れ”の両方が重なったことで起きた雪害トラブルだったようです
便利屋七道でも秋口にはスノーダクトの掃除のご依頼を多数作業いたしましたが、やはり住宅を守るためには必要な作業だと言えます(スノーダクト掃除のブログはこちら→)
地道にダクト内部の氷も全て端から端まで除去しました。氷が分厚いところは20センチ以上の太さになっているため、除去するには時間と労力を必要としました。幸い下が水になっているため氷は屋根に張り付いているわけではないので細かく砕き、煽って持ち上げやすかったので、そこだけ少し楽でした。氷で閉じ込められていた水も氷を壊すたびに排水口へ流れていき、みるみるうちにスッキリしていきました
氷除去は1時間程度で完了。今後は春までダクトヒーターをつけっぱなしにしておくことと、こまめにスノーダクトを点検し排水詰まりを起こしていないかを確認しましょう
※除雪関連のブログはこちら
※除雪の費用はこちら
※スノーダクト掃除のブログはこちら
より良いサービスをするために
便利屋七道ではお電話・メールにてお問合せいただき、作業の打ち合わせをいたします
隣家へご迷惑になる可能性がある場合は隣人のお宅に作業をする旨ご挨拶をいたします
屋根の上はお客様は上がることができないため、本当に作業が行われたかはわかりません。お客様の不安にならないように作業前と作業後のお写真をお見せいたします
もし当日キャンセルの場合でもキャンセル料をとるようなことは致しませんので、もしご都合がつかなかった場合や別の人に作業してもらった場合などはご相談ください
作業は夜間や早朝にも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください